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INFO OTHER 2018.12.24 (月)

改正職業安定法について

改正職業安定法について

2018年もいよいよ終わろうとしていますね。平成最後の年末年始です。

さて、今年1月1日に施行されました改正職業安定法について、おさらいも含めて少しまとめたいと思います。

今回の改正により私たち求人情報提供業者にも、求人企業・事業主様に対して求人広告等による求人情報の公開や明示について以下の項目をご理解いただく必要(努力義務)があることとなりました。

  • ◆必須の明示求人情報があること
  • ◆虚偽の求人申込は罰則の対象となり、勧告(従わない場合は公表)などの指導監督を受けること
  • ◆採用時の条件が求人内容から変更された場合は求職者に明示すること
  • ◆労働関係法令違反を繰り返すとハローワークや職業紹介事業者等において求人が受理されない場合があること
  • ◆公衆衛生・道徳上有害な業務に就かせる募集、法令に違反する募集情報、実際の内容と相違する募集情報は提供してはいけないこと
  • ◆求人情報提供業者は、求人企業・事業主の承諾を得ることなく求人情報を改変してはならないこと(重大なトラブルが発生すると判断される場合を除く)

職業安定法においては、求人情報の明示等に係わる法的責任は募集を行う求人企業・事業主様にあるとされていますので、労働条件は求人企業・事業主様が面接等で求職者と意思疎通して決めることとなります。

ですから極端な話をすれば、求人企業・事業主様の意向によりたとえ職業安定法の趣旨に反するような求人広告であっても、厳密には求人情報提供業者はその掲載をお断りする必要はありません。
しかし、求⼈情報の社会的役割と求人情報提供業者としての社会の中での役割を考えた場合、読者・ユーザーの信頼に応えて続けて、また求人情報を通じて社会に貢献し続けていくためには求人情報の適正化に関する自主規制もやむを得ない状況になりつつあります。
そのため、求人広告の打ち合わせの際に、しつこく細かな項目をうかがったり、掲載や表現方法に関しますアドバイスをしたりすることがあるかもしれませんが、その時はどうか面倒がらずにおつきあいください。

さらに事業や業務を拡大させるためには、ご希望に添った適正な人材の採用は欠かせません。そのために私たちも精いっぱいのご協力をさせていただきますので、手間を惜しまず、今できる最善方法を探りましょう!

求⼈情報の表現における留意事項

どれも当たり前のことですが、求人情報では以下の点に対して気をつけないといけません。※太字は今回の改正により追加された事項です。

  • ◆労働条件および企業情報、職場情報について、誇⼤・虚偽の説明、表⽰をしていない
  • ◆社会通念上、⼀般の誰でも理解できるよう、平易な表現を⽤いている
  • ◆職種名等の表⽰にあたっては、誤解、錯誤を招かないよう具体的に理解できるようにしている
  • 派遣労働者や労働者派遣事業の登録者、業務請負事業の登録者、有料職業紹介事業の求職登録者、業務委託の受託者(代理店・フランチャイズを含む)の募集の場合は、それが「通常の雇⽤関係となる求⼈募集」であると誤解、混同されないよう、明確な区分、表⽰をしている

求⼈情報の必須記載項⽬

求人情報について必ず記載しないといけない項目は以下の通りです。※太字は今回の改正により追加された事項です。

  • 求⼈企業・事業主の正式名称(社名等)および所在地
  • ◆事業内容
  • ◆仕事内容(職種名または職務内容)
  • ◆雇⽤形態・雇⽤期間の定めの有無
  • ◆就業の場所
  • ◆就業時間(勤務時間)
  • ◆賃⾦(採⽤時に⽀払われる最低⽀給額) ※固定残業⼿当を含む場合は、⼿当の⾦額、固定残業⼿当で⽀払い対象となる残業時間数、超過分を⽀払う旨
  • 試⽤期間や⾒習い期間などがあり、その前後で条件が異なる場合はその期間と内容
  • ◆応募資格
  • ◆応募⽅法

固定残業手当はみなし残業手当とも呼ばれている項目です。一定の残業代を支払っていればどれだけ残業させても良いわけではなく(笑)。残業をしてもしなくてもある時間までの残業代を支払う手当です。これは細かな残業代を計算するよりも一律で決めた方が事務の手間が省けて効率が良い場合に便利な方法かもしれません。設定の時間を越えた残業代は当然支払う必要があります。

試用期間中は、当該従業員が不適格であると認めた場合は契約を解約できる、通常よりも広い範囲の解雇の自由が認められるとされています。といっても過去の判例では、勤務態度が極めて悪い場合、正当な理由なく遅刻・欠勤を繰り返す場合、本人の履歴に重大な虚偽の事実があったことが発覚した場合といったことに限られているようです。14日以内であれば解雇予告をすることなく解雇を行うことが可能ですが、14日を過ぎての解雇の場合は通常通り30日前に解雇予告をする必要があり、30日前に予告をしない場合には解雇までの日数に応じた解雇予告手当を支払わなければなりません。

掲載明⽰に努める項⽬(任意項⽬)

できれば掲載した方が良い項目です。現在は求職者から選んでもらえる職場でなければ応募反響が望めませんので、信頼・信用される職場であることをアピールするためにも記載されてはいかがでしょうか?

  • ◆時間外勤務の状況
  • ◆休憩時間
  • ◆休⽇
  • ◆適⽤される社会保険、労働保険
  • ◆昇給制度がある場合はその旨
  • ◆賞与制度がある場合はその旨
  • ◆退職⾦制度がある場合はその旨
  • ◆通勤交通費が⽀給される制度がある場合はその旨
  • ◆定年制度がある場合はその旨
  • ◆従業員数(法⼈・事業所)
  • ◆資本⾦額
  • ◆創業、法⼈設⽴年

最後に一般の求人企業・事業主様には関係ありませんが、派遣や有料職業紹介、業務委託の業者の皆さまは以下の項目を明示する必要があります。

労働者派遣、有料職業紹介、業務委託(代理店・フランチャイズを含む)の場合の明⽰項目

  • ■募集にかかる業務内容および就業地域または場所
  • ■賃⾦、報酬に関すること ※業務委託で受託時または受託後に費⽤負担がある場合はその費⽤、報酬制度の内容
  • ■労働者派遣事業の場合は、派遣労働者の雇⽤形態、派遣先で勤務することがわかること
  • ■労働者派遣事業や業務請負 事業で登録者募集の場合は、登録制であることがわかること

いかがでしたでしょうか?昔の新聞2行・3行広告の時代から比べますと全く状況は変わっています。とても手間のかかるものとなってしまった感は否めませんが、現在、委細面談だけの広告では反響が望めないことも事実です。業務の内容はその人材により大きく左右されますので、ぜひしっかりとした募集採用計画の元、ピッタリの人材をお探しください。