現在、求人広告を出してもなかなか反響が出ないとの声が多く、人材採用で苦労されていない事業所はほとんど見当たらないような状況です。
そのような中でも、ご希望の人材を採用されている企業様や、応募が集まりやすい案件も確かに存在しています。
本稿では、そうした魅力的な案件の特徴や、求人広告を掲載する際に押さえておきたいポイントをご紹介いたします。
求人に関してあまり慣れていない担当者様向けの内容となりますので、ベテランの方々には既知の内容も多いかもしれません。その点はあらかじめご了承ください。
1. まずは「本当に必要な業務」を明確にする
求人を出す前に、「どの業務に、どのくらいの時間、どのような人材が必要か」 を整理することが、効率的な採用の第一歩となります。
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現在の人員ではどうしても回らない時間帯・業務を洗い出す
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業種にもよりますが、人件費は経費の中でも比重が高いため、可能な限り短い勤務時間で回せる体制を検討するのが望ましい場合が多いでしょう
弊社が取り扱う媒体でも、正社員・契約社員よりも、パート・アルバイトの求人に反響が出やすい傾向が見られます。
例えば、
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1か月の短期案件
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1日2時間、週2日から勤務可能な案件
などは人気が高く、応募が集まりやすい傾向にございます。
シフト作成は大変になりますが、フルタイムの業務を2~3人のパートスタッフに振り分けて行うことも、現実的な解決策の一つと考えられます。
※勤務時間に関しては、週20時間以上で雇用保険、週30時間以上で健康保険・厚生年金保険の加入要件が生じます。社会保険料も経費として無視できませんので、条件設計の際はご留意ください。
2. 求人内容を「明文化」する
必要な業務が整理できましたら、それを求人広告として具体的に落とし込んでいきます。
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具体的な業務内容
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雇用形態
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勤務地
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就業時間(休憩時間・残業の有無も含めて)
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賃金
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応募資格
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応募方法
を決めていきましょう。
現在の求職者は非常に慎重で、応募前に企業のホームページやネット上の口コミなど、できる限りの情報を集めてから応募される傾向があります。
貴重な時間を使って面接を行うのですから、お互いの時間を無駄にしないよう、できるだけ詳しく仕事情報を記載しておくことがミスマッチ防止につながります。
雇用形態の整理
一般的な表記は以下の通りです。
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正社員
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契約社員
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パート・アルバイト
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派遣社員
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紹介予定派遣
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業務委託 など
「契約社員」「パート・アルバイト」については、法的な厳密な定義はありませんが、一般的には、
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個別の労働契約を結ぶ社員を「契約社員」
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常勤社員と比べて勤務日数・時間が少ないスタッフを「パートスタッフ」
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一時的な短期勤務を「アルバイトスタッフ」
と呼称するケースが多いようです。
「フルタイムパート」といった表記も見られますが、これは「8時間勤務で、勤務日数が常勤スタッフより少ないパートスタッフ」といったイメージが一般的です。
派遣社員は、派遣会社に雇用され、契約先の企業で業務指示を受けて働く、雇用主と就業先が異なる働き方です。
契約期間があるため受け入れのハードルは比較的低いケースが多い一方、時給は直接雇用よりも高めになる傾向があります。
紹介予定派遣は、最大6か月の契約期間後に、正社員や契約社員として直接雇用することを前提とした契約形態です。
賃金の表記ルール
求人広告に記載する賃金は、採用時に支払われる最低支給額となります。
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出勤日数や業績・能力によって左右される「皆勤・精勤手当」「残業手当」「業績・能力・歩合手当」などを含めることはできません
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「勤務○年目の月収例」として、残業時間等を明示したうえで諸手当を含めて記載することは可能です
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試用期間・見習い期間があり、雇用形態や賃金条件が異なる場合は、その期間と内容も明示する必要があります
応募資格・制限
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実務経験や国家資格などが必要な場合は、必ず記載してください
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求人広告には、片方の性別のみの募集や年齢制限は原則として記載できません
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ただし、正社員募集で「長期勤続によるキャリア形成」を目的とする場合には、35歳未満(場合によっては45歳未満)に限定することも可能です
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その際は、職務経験不問とし、新卒者と同様に長期的な教育訓練を行う必要があります
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定年年齢を上限とする制限も可能です
待遇面の記載
求職者の関心が高い項目は、ぜひ記載しておきましょう。
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休日
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休憩時間
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社会保険
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昇給
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賞与
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退職金制度
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通勤交通費
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定年制度 など
3. その仕事ならではの「魅力」を伝える

ここまでが「記載して当たり前」の項目です。
数ある求人情報の中から応募してもらうためには、その仕事ならではの魅力をしっかりアピールする必要があります。
すでに同じ業務を長く続けているスタッフがいる場合は、
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どうしてこの仕事を選んだのか
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続けられている秘訣はあるのか
など、現場ならではのメリットをヒアリングし、求人広告に反映させると効果的です。
人の好みはさまざまですので、ある人にとってはデメリットでも、別の人にとっては気にならないことや、むしろメリットに感じることもあります。
その業務を遂行する上で最も必要な人材が重視する価値観は、
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給与なのか
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休日・勤務時間なのか
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業務の取り組みやすさなのか
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居心地の良さなのか
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社会貢献ややりがいなのか
を見極め、その価値観に響く形で魅力を伝えることが重要です。
4. 採用戦略の考え方
経営環境により採用条件には制約がありますので、その中で「現実的に提示できる条件」を整理する必要があります。
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より良い条件を提示し、短期間で多くの応募者の中からピッタリの人材を採用する方法
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平均的な条件で、長い目で応募者を集め、採用後に教育・育成していく方法
など、自社の状況に合わせた戦略を検討されることをおすすめいたします。
現在の求職者は、ネット上で職場の口コミや情報をできる限り収集した上で応募する傾向があります。
そのため、職場のブランドイメージや、応募者・退職者への対応の仕方も、採用の成否に大きく影響します。
応募が集まりやすい職場は、一朝一夕にできるものではなく、地道な努力の積み重ねの結果として形作られるものかもしれません。









