INFO OTHER 2021.12.20 (月)
離職率が低く収益性の高い組織に有効な心理的安全性
離職率が低く収益性の高い組織に有効な心理的安全性
「心理的安全性(psychological safety)」とは、組織行動学を研究するエドモンドソンが1999年に提唱した心理学用語で、「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」と定義しています。
心理的安全性の高い組織とは、思いついたアイディアや考えを素直に提案できる環境にあるため、オープンに話し合える組織であるともいえそうです。
保身のための前例主義に陥ることなく、ビジョンの実現や目標達成に向けての改善・改革が可能なチーム作りには欠かせない状況なのかもしれません。
Googleによる2012年から約4年間の社内調査の結果では、「心理的安全性の高いチームのメンバーは、離職率が低く、他のチームメンバーが発案した多様なアイディアをうまく利用でき、収益性が高く、マネジャーから評価される機会が2倍多い」ということが判明したそうです。
Googleという優秀なメンバーが揃った会社だからとつい考えそうですが、Googleでも多様なメンバーがあらゆる意見を出し合うとやはり最初はゴチャゴチャで収拾が付かなくなります。しかし、チーム目標がしっかりシェアされた中での議論では、全員をリスペクトし、全員の意見に心を開いていると、みんなが優れた意見に同意するため、自然とある一点に収束いていくそうです。本音で語れる機会を用意した方が、結果的にチームの意見がスピーディにまとまっていくケースが多いそうです。
チームの心理的安全性を高めるためにGoogleでは、全マネジャーが年2回、チームメンバーから初めての際にはショックを受けないマネジャーはいないというほどの率直で厳しいフィードバックを受けているそうです。それらの意見を受けてマネジャーは内省したり、チームメンバーと話し合ったりして、自らのあり方を変え続けているそうです。こうした取り組みによりチーム内の心理的安全性への信頼性もさらに高まり、メンバーは孤独にならずに、むしろチームに貢献しているという自信が生まれるそうです。
新型コロナウィルス対策やDX化など、大きな変革期にも対応できる組織作りの一環として心理的安全性やビジョン・目標の共有をキーワードとして考えてみるのも良さそうですね。