LIFE 2019.05.20 (月)
手帳の進化と価値観
手帳の進化と価値観
最近はスマホでスケジュール管理をする人がほとんどなのかもしれませんが、私は今でも手帳を使っています。毎日見るスマホで管理する方が楽だろうとは思いますが、これも昔からの習慣なのでしょう。使っているのは「フランクリン」というタイプの手帳です。この手帳の面白いのは、単にスケジュール管理だけではなく、自身の価値観を手帳に落とし込み、価値観に沿った計画を立てられるという特徴があるところで、フランクリン社曰く「第四世代手帳」というのだそうです。
第一世代・・・メモ帳
そもそも手帳とは、やることを忘れないためのメモが始まりなのだそうです。単純に自身のタスクを羅列しているという感じですが、これを第一世代と位置付けています。
第二世代・・・時間管理
そこに時間という概念を加えたのが第二世代で、現在主流の手帳がこれです。メモとさほど変わりませんが「タスクをいつやるのか」ということを時間軸で管理することが出来るようになっています。
第三世代・・・目標設定と優先順位
ここで手帳が大きく進化し、自分が達成したい目標と、そのための優先順位を手帳で管理するという考え方が生まれました。目標を明確化し、そのために何をしなければならないかを書き出し、そこに優先順位を付けて管理するという発想が第三世代です。
第四世代・・・価値観
第三世代手帳はある意味での最終地点とも言えますが、ここに価値観を加えたのが第四世代です。というのは、第三世代手帳で目標を管理、達成したとしても、それが本当に自分のやりたいことなのか、心から望んでいることだろうかという、自分の価値観に沿わないものであるなら、達成したとしても幸福とはいえない結果が生まれるからです。フランクリン手帳には、七つの習慣の著者「スティーブン・R・コヴィー氏」の考え方が加わっているため、原則に従った行動によって、より本質的な幸せを得られるという考え方があるわけですね。
このように手帳にも様々な考え方があり、この第四世代が手帳の最終形態のような感じですが、私はこの手帳を10年以上使ってきて感じることがあります。それは「自分だけの価値観」と思っているものが、果たして本当に自分のものであるかどうかということです。例えばネットで「フランクリン 価値観」などで検索すると「価値観の例」みたいなのが出てきますが、そういう言葉自体が私には違和感なのです。
それはあたかも「〇〇でなければならない」と言われているように感じます。人は皆それぞれ、違っていいと思う。誰しも他人に迷惑をかけるものだから、100%迷惑をかけない生き方なんて不可能ですが、出来るだけ迷惑をかけないよう自分なりに努力したら、あとは自由で良いのではないでしょうか?
何かをネットで検索して辿り着いた場所にあるその答えは、本当に自分が探していた答えなのか?知らないうちに別の誰かが導きたい場所に、さも自然に、本人すら全く気付かない形で誘導されているのではないか?誰かからの押し付けやエゴに支配されているものではないか?世間一般で言われている「常識」とは、本当に常識なのだろうか?などなど。う~ん、ちょっとマトリックス入ってますかね。
私は自分の心に正直に生きるようにしています。周りが言っていること、社会が言っていること、テレビで流れている情報、一般常識として言われていること・・・。そういう様々な「当たり前らしきこと」を、まず疑ってみる。そして自分に落とし込んだとき、内側が納得しないことには従わないということです。逆に自分の内側が腑に落ちることは、周囲の常識がどうであっても私の中では正しいということになります。最近はその行動を、さほど周囲の輪を乱さない範囲でやれるようになってきたように思えるわけで、私もようやく大人の仲間入り、、、でしょうか(笑)
話を手帳に戻して、もし第五世代という手帳が出来るなら、それは「何かに影響を受けた可能性のある自分勝手な価値観」ではなく「何か大きな全体が向かっている目的に、自分が出来る役割として身を委ねる」という概念になってくると思います。しかしそれはおそらく何十年も先の話。今の私が気になっていることは「何か大きな食べ物が向かってきたら、自分が出来る限界まで身を委ねて食べまくりたい」ということです。
(文/近衛兵)